SIMロック解除とは?
2021年9月30日以前に発売されたスマホでは、購入した通信会社のSIMカード以外は使用できない仕様になっていることがありました。
この仕様は「SIMロック」と呼ばれるものです。
そして、通信会社ごとの制限をなくして、どの通信会社であっても端末が対応していればスマホを利用できる状態にする手続きを「SIMロック解除」と呼びます。

SIMロック解除をすることによって、元々使っていた端末をそのまま別の通信会社のプランで使用できるようになります。
SIMロック解除は、店頭・ショップや各通信会社のWebサイトで実施可能です。
また、SIMロックを解除したスマホや最初からロックがかかっていないスマホは「SIMフリースマホ」と呼ばれています。
Apple Storeで販売されているiPhoneなども、最初からSIMロックがかかっていない状態なので、SIMフリースマホになります。
SIMカードの役割
SIMカードは、「Subscriber Identity Module Card」の略称であり、契約内容ごとに設定される、携帯電話番号などの識別情報と呼ばれるデータが記録されているカードです。
SIMカードを、スマホなどの端末に挿入することで、ネット通信や通話といったさまざまなサービスを利用することができます。
通信会社ごとに用意されている端末を使用している方は、専用のSIMカードが最初から挿入されている状態になります。
SIMカードのサイズは15×12mmの「micro SIM」、25×15mmの「標準SIM」、12.3×8.8mmの「nano SIM」と3つの種類があります。
現在販売されている端末の場合、iPhoneはnano SIM、Android機種はmicro SIMもしくはnano SIMが使用されています。
SIMロックされている理由
SIMロックを採用している主な理由は、第三者による成りすまし契約や盗難・遺失物横領などの手段によって入手された端末の不正利用を制限することが挙げられます。
また、不正に入手・売買された端末が別の第三者に転売され、さらなる被害が拡大しない対策としてSIMロックがかけられている実情もあります。

SIMロック解除の義務化について
2021年10月1日以降に販売されたスマホはSIMロックが原則禁止になりました※1。
新たに購入する端末はSIMロックがかかっていなかったり、中古端末などの場合はネットから無料で解除できたりします。
SIMロック解除の義務化は、「SIMロック解除ガイドライン」※2という形で総務省から通信会社に打診があった2010年頃から進められてきた取り組みです。
その後の2014年にガイドラインが改正され、2015年5月1日以降に新たに発売された機種はSIMロック解除がまずは義務化されます。
続いて2017年に策定された「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」※2の2018年改正によって、中古を含むすべての端末でSIMロック解除ができるように義務化されました(2019年9月1日から適用)。
その後、同ガイドラインの2021年改正で、2021年10月1日以降に販売されたスマホはSIMロックが原則禁止になったのです。
- ※1 参考
- ※2 参考
SIMロックを解除するメリットとデメリット
SIMロック解除にはさまざまなメリットがあります。また、SIMロックの解除自体にデメリットは特にありませんが、注意したい点がいくつかあります。あわせて確認しておきましょう。

メリット
SIMロック解除が義務化されて以降、SIMロック解除の手続きが不要になったため、通信会社の乗り換えがしやすくなりました。
SIMロックが解除されている端末の場合、現地のSIMカードに対応していれば、SIMカードをさし替えるだけで国内だけでなく海外でも使えるようになります。
さらに、お使いの通信会社からMVNO(格安SIM)に乗り換えることも比較的容易になりました。
MVNOは大手の通信会社と比較して月額料金が安く設定されており、データ通信量に応じてプランが分かれているケースが多い傾向にあります。
自分に適したプランで、月額料金を抑えながらスマホを利用できます。
デメリット
SIMロックの解除に対応していない機種を使用している場合や、端末代金の支払い方法、サポートの加入状況によってはSIMロックに対応できないことがあるので注意が必要です。
さらに、SIMロックを解除して通信会社を乗り換える場合は、今の通信会社ならではのサービスが使えなくなる可能性があります。
乗り換える前に、一度解約したSIMカードの再契約はできないことを認識しておきましょう。