プロバイダーの変更とは?
そもそもプロバイダーとは、回線事業者と利用者の間に立ち、ネット接続を仲介する業者のことを表します。ネット回線の接続のためには、原則として回線事業者とプロバイダーの両者と契約しなければなりません。
プロバイダーの変更とは、現在利用しているプロバイダー事業者を異なる事業者に変更することです。利用者は、ネット回線の種類によって、ある程度自由にプロバイダーを選択できます。
光回線などでは回線敷設の際に通常工事が必要になりますが、プロバイダーだけを変更する場合には工事の必要はありません。一方、回線ごとプロバイダーを変更する場合には工事が必要になる可能性があるため注意が必要です。
プロバイダーの運営会社は複数あり、それぞれ通信速度やサービスの内容が異なります。ネット回線の速度が遅くて気になる場合には、プロバイダーの変更を検討することをおススメします。
プロバイダーが提供するおもなサービスや、プロバイダーを選ぶ際のポイントについては、以下の記事で詳しくまとめています。
プロバイダー変更のメリット
プロバイダーを変更するメリットは、大きく以下の2つです。
- 回線速度の向上が期待できる
- 月々の利用料金を節約できる

現在利用しているプロバイダーがIPv4にしか対応していない場合は、IPv6に対応したプロバイダーに変更するとネット回線速度の向上が期待できます。
IPv4やIPv6に含まれるIPとは「インターネットプロトコル」を略した言葉で、ネット上でデータ通信を行う際の規約を意味します。v4やv6などの数字はそのバージョンを表し、数字の大きいほうが新しい通信規約です。
次世代の通信規約であるIPv6に対応しているプロバイダーのほうが、ネット回線速度は速くなる可能性があります。
ただし、IPv6にまだ対応していないネットサービスも多いため、IPv6に対応したプロバイダーに変更する場合は、IPv4に対応しているかどうかを確認しましょう。回線速度の向上と併せて従来どおりの利便性を維持するためには、IPv4とIPv6の両方に対応したプロバイダーを選択するのがおススメです。
また、プロバイダーごとに提供するサービスやオプション、キャンペーンやキャッシュバックなどは異なります。これらを上手に組み合わせれば、月々の利用料金を節約することが可能です。
回線事業者とプロバイダーは別々に契約するケースが多いため、プロバイダーの利用料金が高いと感じる場合には、プロバイダーの変更を検討することをおススメします。
プロバイダー変更の際に注意したい5つのポイント
プロバイダーを変更する際には、注意するべきポイントがあります。ここでは、5つのポイントに分けて、それぞれ詳しく見ていきます。

回線によってはプロバイダーの変更ができない可能性がある
近年では、回線事業者とプロバイダーが一体型のサービスも多く存在します。通常は別々に契約が必要ですが、一体型サービスの場合は1つの契約で済む反面、プロバイダーだけの変更は基本できません。ネット回線の種類によっても異なるため、プロバイダーの変更を希望する場合は、変更可能かどうかを事前に確認しましょう。

契約解除料が発生する場合がある
プロバイダーとの契約で契約期間が設けられている場合には、途中解約すると契約解除料が発生する可能性があります。
一般的には2年契約が多く、契約期間のなかの更新月の1ヶ月間しか無料で解約することができません。契約の更新期間を事前に確認しておき、契約解除料が発生しないように時期を調整することをおススメします。事業者によっては、キャンペーンやキャッシュバック制度として契約解除料相当を負担してもらえる場合もあります。

プロバイダーの解約日と接続日を調整しなければならない
プロバイダーと契約をしても、即日ネット回線が利用できるようになるとは限りません。新しいプロバイダーと契約してから実際に利用できるまでに数日かかる場合もあります。
事前に新しいプロバイダーの利用開始日を確認したうえで、現在利用中のプロバイダーの解約日を調整し、ネットが利用できない期間が発生しないよう注意が必要です。

オプションサービスの解約漏れがないように注意する
プロバイダーとの契約のなかには、オプションサービスが含まれる場合があります。例えば、各種サポートやセキュリティサービスなどです。これらのオプションサービスの解約を忘れると、プロバイダーとの本契約を解約していても、継続してサービス料金はかかります。プロバイダーの変更の際には、現在利用しているオプションサービスも把握しておき、解約漏れがないように注意しなければなりません。

プロバイダー提供のメールアドレスが利用できなくなる
プロバイダーが提供するメールアドレスを利用している場合、基本的にはプロバイダーを変更するとメールアドレスは利用できなくなります。そのため、メールの保管やメールアドレスの変更なども忘れずに行うことが大切です。メールアドレスだけを継続して利用できるオプションサービスもありますが、一般的には利用料金がかかります。